倉賀野の家
旧中仙道沿いの倉賀野の街には、
燻した杉を下見貼りした往時の商家が多く残されている。
かつて宿場として、流通の要として栄え、歴史の重みを感じさせる街「倉賀野」。
この古くからの通りに、私たちは敢えて片流れの屋根の造形的な「カタチ」を提案した。
灰黒色の外装に、挑戦するような鋭角的ラインを持つ「倉賀野の家」を・・・。
時がスローに流れているこの街に、この家。まんざら・・・
ミスマッチでもないと思う。・・・時代も、街の様相も変りつつある。
施主は、数千枚のアルバムコレクションを持つジャズファン。 しかも、真空管のアンプも、ターンテーブルも、自ら組み上げるほど音質にこだわっている。
無垢の床。 漆喰の壁。 米杉を貼った天井。 和紙と米松のラフソーン板で仕上げた和室。 アナログで聴くジャズに・・・アナログ的な手法で創られた「倉賀野の家」。 私たちの,BAUとしての、記念すべき一棟目の住宅であった。
(注)この家では、カネカの協力・指導で県下では最初の「外張り断熱」を試みている。